アートアイランズTOKYO2018
9/1~9/16
深緑との距離 The distance between the deep green
一見の訪問者にも大島の風景は、濃く深い緑を惜しげもなく見せてくれる。
甚大な土砂崩れで剥き出しになった山の斜面にさえ、逞ましく若い緑が覆うのだ。
それをまた美しいと感じてしまう後ろめたさに、帰宅して撮り終えた写真の鮮やかさが加わり、わたしが滞在した風景との、濃く深い緑との距離を、いっそう露わにしているような感覚になる。
連れられるままに島中を巡り撮った風景は、方向音痴もおおいに手伝い、位置関係もあやふやなまま、記憶の中で都合よく歪み形を変え、コラージュされたかのように見え隠れした。
いま一度、どこでもない大島の風景を覗き込み、映り込む深緑との距離を測る。
アルミニウム、
ポリエステル糸、
鏡、デコパージュしたどこでもない大島の風景
伊豆大島 旧甚の丸邸 二階にて