2008
嘯 く 庭
[嘯く]うそぶく、我関せず、そらとぼける様子
人の手にかかり、都合良く切り取られ、量産可能な自然はもはや原形をとどめない。
ときに地を這う虫たちの視線をかりて、不毛の庭へ降り立つ。
介入することなく、ただ静かに見守る目撃者たちだ。
断たれた根は、記憶を頼りに依然かわらぬ方向を指し示し、その緑にいたっては、
嘯いているかのようにしたたかだ。
W120H120 CDサイズの詩の冊子を限定50部発行。
展示内容は、詩編の世界のなかに納まる。文字ありきで作られた空間に、葉の陰から見つめる虫の視線を重ねる。
虫の視線 W1000H1000D100